Saturday, September 29, 2007
西表島編4
予定通り朝5時に起床。下戸の俺はビール一缶でぐっすりよく眠れた。五時半に真っ暗な中出発、一時間かけて大富登山道を目指す。真っ暗なのでヘッドライトで地図を照らしながら、一度道を間違えながら、道の真ん中をのそのそ歩く亀をふんずけそうになりながら、なんとか登山道に到着。持参した弁当とコーヒーで朝食。朝日が顔を出し、俺達の出発を激励するような真っ赤な朝日を拝みながらカツ丼を食べた。今日は晴れそうだ。美しい朝が、不安な俺達のテンションを一気に上げてくれる。朝7時、登山道から元気よく出発した。
長い長い道のり、約10時間歩き続けた。道は険しく、台風のせいで登山道は崩れ、目印はなくなり、進むべき道が分かりにくい。2時間ごとに休憩をとり、眺めのよい展望台の景色に元気付けられつつ慎重に進む。休憩食で一番役に立ったのは、広島から持参したプロテインと沖縄黒砂糖。甘いものは元気がでる。やがて持ってきた水は底をつき、我慢できなくなった俺は滝の水をナイロン袋に受け、端を切り取りそこからペットボトルにためて飲む。相方は頑として飲まなかったが、強がって20kgの荷物を背負っていた俺は相当疲労していた。
少しずつ体力を奪われ、残り後7~8kmのところで遂に俺がダウン。最終の便が出る16:30にとてもじゃないが間に合わす気力がなかった。本気で山中ビパークを決意した俺は、「頼む、俺を見捨ててお前だけでも船に乗ってくれ」と弱音を吐いてしまった。ちょうど通りかかった二人組みのおっちゃんトレッカーが「後2時間程だよ」との情報をくれた。彼らはこの島の自然に惚れ移住してきたおっちゃんとその親戚。ちっちゃいリュックのみの軽装で、マラソンみたいなペースで歩いてる。彼らは腰を下ろすことなく話し終えるとさっさと追い抜いて行ってしまった。彼らを見送りながら、実は体力馬鹿な相方が「俺が重いほうの荷物持つからいこうや」ともう乗りのり。しかたなく重い重い体を引き起こし、荷物を軽いほうに変えてもらい、再びのろのろと歩き出す。そのとき14時前、なんとか間に合うかも。
甘かった。2時間とはこの登山道になれた超人二人のものさしで、俺らにはかなりのハイペース。まだまだ元気な相方の背中を追いかけ、やけくそになって歩き続けた。トレッキングハイ状態で、意識が朦朧としてきて、休まず前を突き進む相方の背中を睨みつけつつ「追いついたら、こいつを刺し殺そう。そしたら休める」と危険なことで頭が一杯だったのを覚えている。後で聞いたが、友人は殺人者級の形相で追ってくる俺の顔が恐くて必死で逃げていたそうだ。
そんなこなで最終便の出る30分前に無事到着。最後の見せ場なんたらの滝などゆっくり見る余裕など無く、船着場へまっしぐらに歩ききった。
死ぬかと思った。
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