Wednesday, August 29, 2007

西表島編3

それでもあえて俺達はトレッキングを決行した。山中は携帯が通じない。駐在所のおっさんは、宿の人か家族に下山日時を伝え、下山したら電話するという約束をし、約束の時間になっても電話がなければその人から駐在所に連絡が来るよう頼んでおけとのこと。宿に帰っておっさんに「とめても無駄じゃ、俺達はやっぱり行くぜ!明日の21時には帰ってくるぜ。でももしものときは駐在所に連絡してね」と頼むと、あっさり「そんなのいやさー」と断られた。心配しながらその日一日過ごすのは嫌なのだそうだ。納得。そこで一番親しい友人に連絡し、その役を依頼した。家族に頼めば要らぬ心配をかけるに違いない。 さーこれで一段落。やっと本格的にトレッキングの準備に取り掛かれると思ったら、新たな問題が浮上。 ルートは宿から歩いて一時間のところにある大富登山道(島南東部)入り口から浦内(島北西部)へ抜ける約25キロの道のりを計画していた。大富から浦内の間はただのジャングル、一切街の機能を持ちません。しかし最後の軍艦岩というところから浦内までの5kmの区間は道なき山に挟まれた川になっていて、船かカヤックしか通行できないとのこと。しかも定期便の最終は16時。仮に軍艦岩まで8時間で行けたとして、遅くても朝8時には大富登山道を出発する必要がある。宿を7時に出てもぎりぎりで、8時間以上かかると山中に取り残され、携帯が通じないので俺達は遭難者とみなされ、島中の人が探しにきてしまう。 俺達は自分の健脚ぶりを信じ、朝5時に宿を出発する日帰りの計画を立てた。一応山中に取り残されることも想定して連絡係りの友人には一泊して帰ると伝え、装備もテントと寝袋、1泊2日分の食料をもって入山することにした。登山経験が少しあった俺のカバンは約20kg。登山経験ゼロの相方のカバンは約10kg。くそ重い一眼レフカメラは諦めた。大自然を撮影してやろうと大金叩いて買ってきたが、雨が降れば間違いなく壊れるし、何より少しでも荷物を減らしすばやく楽に移動することが求められた。 オリオンビールを飲みつつ二人で決起集会を行い、スタミナ確保のため一人二人前の弁当をかき込み、身近な人へこれまでお世話になったお礼の電話を済ませた。先立つ不幸をお許し下さい。サバイバル気分が盛り上がってきた。

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